お疲れ様です。
親子丼うまみです。
本日は、ダッフルコートは学生っぽい!幼く見える!定番過ぎてダサい!等々、馬鹿にされた人に見て欲しい記事です。
そもそも、うまみは他人のファッションに口出しする事は「礼を欠く行為」だと思っています。
その人の服装やアクセサリには、他人には理解出来ない”思い入れ”が詰まっている事もあるのです。
もちろんTPOを弁えない服装は論外ですが、普段着として着る分には個々人の好きなものを着ても良いのではないでしょうか?
ダッフルコートの発祥
元々は北欧の極寒の海でも耐えうる船上の作業着として漁師に使用されていました。
ベルギーのダッフルという街で作られていた生地を使用しており、そのまま地方の名前が付いたとされています。
その特徴として、前面の「トグル」が挙げられます。
これは、漁師が手袋をしたままでも留め外ししやすいように設計されている為で、現代においても冬場は手袋をしたまま留め外しが出来るという利点となっていますね。
また、厚手のウール素材は防寒性能が極めて高く、多少の雨や霧、水しぶきに強い特性を持ち、まさに北欧の漁師達の”命を守るコート”だったのです。
海軍正式採用コート
ダッフルコートが有名になるのは、1800年代後半まで遡ります。
その圧倒的な防寒性能から、北欧諸国の海軍艦の甲板に共用防寒着として正式採用され、配備される様になりました。
特に最初に採用したのがイギリス海軍であり、我々日本と同様に四方を海に囲まれた島国イギリスは海洋国家として海軍に力を入れていく事となります。
「ダッフルコート」は、極寒の北海の荒波を越えるイギリス海軍艦艇の乗組員が、寒さから身を守る為に着用していた海軍の軍服でもあるのです。
ちなみに余談ですが、イギリス陸軍では第一次世界大戦時から軍用コートが採用され、寒冷地の陸上戦で利用されていました。今では「トレンチコート」としてオシャレを重視されていますが、「トレンチ」の意味は「塹壕」です。
「トレンチコート」は、まさに最前線の「塹壕」で戦う陸軍兵士が泥濘地の激戦でも耐えうるコートという事です。
ダンケルク・スピリット
うまみが「ダッフルコート」を購入した理由は、この歴史に感銘を受けた事に起因します。
1940年、ドイツ軍によるポーランド侵攻により、イギリス・フランス軍はドイツ軍に宣戦布告しました。
しかしながら、当時最新鋭の戦車と航空機を集中運用するドイツ軍の電撃作戦による侵攻は凄まじく、イギリスとフランスを主体とする連合軍40万人はフランス北側に位置するダンケルクの海岸へ押し込まれます。
前面にはドイツ軍、後方はドーバー海峡という絶体絶命の状況で、イギリス本国は空前の規模の救出作戦(ダイナモ作戦)を発動します。
当初、この40万の連合軍兵士の生還は絶望的と考えられていましたが、本作戦では軍艦は勿論のこと、民間の漁船やヨット、病院船や遊覧船等、ありとあらゆる海に浮かぶものが投入され、武装を持たない民間船とボランティアの人達が、最前線の激戦地であるダンケルクに向けて出港しました。
あまり有名では無いのですが、海だけではなく空でも王立空軍の決死の支援があり、400機以上の航空機を失いながら、幾度もドーバー海峡を渡ってダンケルク上空で撤退作戦の支援しつつ、ドイツ軍航空機と戦い続けました。
この激戦のダンケルクで、最後の兵士を脱出させるまで作戦指揮をしていたのがイギリス海軍の英雄「バーナード・モントゴメリー元帥」であり、彼がその時に着用していたのが「ダッフルコート」です。
「ダッフルコート」の事を「モンティコート」と言われる由来です。
救出作戦は奇跡的な成功を収め、ダンケルクに追い詰められた連合軍兵士はイギリス本土へ救出されました。
後に、どんな絶望的な状況でも諦めずに団結して立ち向かう精神のことを「ダンケルク・スピリット」と呼び、イギリス海軍並びにイギリス国民の中で永遠に語り継がれる出来事となりました。
ダンケルク撤退後、フランスはパリを占領され降伏しましたが、この時イギリス本土へ脱出した兵士による連合軍の怒涛の巻き返しにより、ノルマンディー上陸作戦へ繋がっていきます。
本件は、映画にもなっていますので、宜しければどうぞ!
第二次世界大戦終結後に「元軍用コート」として民間へ放出され、その安価さと性能の高さから広く世界に知られる様になった「ダッフルコート」。
あなたも、自信を持ってこれからも着続けてあげて下さい。
ダッフルコートに秘められた歴史
我々日本人と同じ島国海洋国家であるイギリス人が愛用していた「ダッフルコート」ですが、そのコートの歴史に思いを馳せると、誇り高きイギリス王立海軍(Royal Navy)、絶対に諦めないダンケルク・スピリットを垣間見る事が出来ます。
「ダッフルコート」を馬鹿にする人達は、ファッションとしての視点でしか服装を見る事が出来ない視野の狭さを自ら露呈している。と見ることは出来ないでしょうか?
そういう方々の意見は聞く必要は無いと考えていますので、是非自信を持って自らの好きなファッションを楽しんで下さいね。
以上、親子丼うまみでしたっ!
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