お疲れ様です。
親子丼うまみです。
本日は、リクエストのありました下記記事にて紹介した後に運営者が失踪した”tesco”の資産を取り戻せるか?について記事にしたいと思います。
結論
資産を取り戻す事は、99%不可能と考えています。
理由①:tesco運営側が国外である為
まず、第一にtescoのようなポンジスキーム詐欺の拠点が日本では無い事です。
これは国際詐欺組織を検挙する事の難しさの一因であり、彼らは日本以外を拠点として日本人相手の詐欺を行っています。
よって、日本の警察署に被害届を出したとしても日本の法律に従って処理する為、犯罪組織が海外にある場合は日本の行政権は及ばず、該当国に犯罪人の引き渡しを要求する必要があります。
今回のtescoのようなケースですと、拠点は海外となりますが日本と相手国の関係はどうでしょうか?
2021年現在、日本は”米国”と”韓国”の2国しか、国際条約である犯罪人引渡し条約を結んでいません。
これは、相手国からすると日本には死刑制度が残っているので、疑義状態(冤罪含)であっても死刑にされる可能性を排除出来ない為です。
日本は国民の被害届は受理しますが、海外へ”捜査”と”引き渡し”を要求するにはハードルがあります。
そして、運良く海外で捜査、逮捕されたとしても、日本へ引き渡すでしょうか?
理由②:被害者も犯罪者である可能性がある為
第二に、今回のtescoに参加した本人が犯罪者である可能性がある為です。
尚、これは全員に共通する理由ではありませんが、頭の片隅に置いておいてください。
まず、tescoは”無限連鎖講”と言われる、通称”ねずみ講”の形態を取っています。
そして、この”無限連鎖講”は日本国内において”無限連鎖講の防止に関する法律”により固く禁じられています。
(無限連鎖講の禁止)
第三条 何人も、無限連鎖講を開設し、若しくは運営し、無限連鎖講に加入し、若しくは加入することを勧誘し、又はこれらの行為を助長する行為をしてはならない。
その中でも、罰則規定に注目してみましょう。
(罰則)
第五条 無限連鎖講を開設し、又は運営した者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第六条 業として無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第七条 無限連鎖講に加入することを勧誘した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第五条にて、開設運営した者は、懲役及び罰金が科されます。
今回のケースですと、国外の開設及び運営ですので検挙する事は難しいでしょう。
注目すべきは、第六条と第七条です。
双方に“加入することを勧誘した者”は、罰則規定があります。
つまり、本記事をご覧のあなたが誰かを勧誘していた場合、本法律に従って”有罪”であり”罰則”を受ける必要があります。招待ユーザー無しの状態を維持したユーザー以外は、被害者であると共に加害者でもあるのです。
よって、tescoのようなポンジスキームでは過半数が加害者となる為、泣き寝入りが多いのでは無いでしょうか。
理由③:お金の流れを追えない為
今回のtescoで使用されていた口座は恐らく”捨て口座”となっており、口座凍結を搔い潜って移り変わっていたと思います。
入金後は海外口座に送金されていると考えられ、理由①と同様に捜査するのは不可能に近いです。
海外口座送金後は、資金洗浄(マネーロンダリング)が行われ、運営者及びtesco開発会社の手に渡っているでしょう。
どうしても取り返す事は出来ないのか?
返金を成し遂げた人もいます。
99%不可能ですが過去事例を調査していると、1%を成し遂げた人も存在します。
その方も、警察へ被害相談を行い「この手口では戻って来ませんよ。」と言われたにも関わらず、被害届を警察へ提出。(事務処理が増えるので、受理を渋られるが後々重要となる)
勿論警察からは何の連絡も無いので、自らアクションを起こしたそうです。
詐欺相手国の金融犯罪委員会(EFCC:Economic and Financial Crimes Commision)のSNSアカウントに対して英語で被害内容を記載し続け、EFCCより嘆願書提出の依頼を受けるまでに至り、さらに1年後に嘆願書が承認され、相手国の警察が捜査を開始。
後日EFCCより日本大使館へ返金の照会があり、その際に警察へ提出した被害届と一致する為、大使館経由で返還されたというケースです。
上記ケースの様に“警察へ被害届の提出”と、”自ら諦めずに動き続ける事”で、返金の可能性は残されています。
いつか運よく詐欺組織が逮捕されたとしても、被害の証明が出来なければ返金されません。
また、どの様な形で返金されるか分かりません。
被害にあったという事を、きちんと被害届を提出しておく事が非常に重要になります。
最後に出来る事は無いの?
本tescoが大規模に拡大していくには、日本人の中に”運営者に隷属した管理者”というユーザーが不可欠です。
彼らは運営者が飛んだ後に、あたかも自分達も被害者の様に振る舞いますが、彼らは本件により多額の利益を得ており、被害者の事は何とも思っていないでしょう。
各都道府県の警察ホームページには、”匿名通報窓口”が設置されています。
Lineグループのアカウントや発言記録、招待履歴等の証拠画像(エビデンス)と共に通報しておきましょう。
ただ、やはりこういう詐欺案件に騙されない事が最も重要です。
怪しいと思ったら調べるという癖を付けて、出来る限り周りに相談する様に心掛けましょう。
10人中8人、9人が詐欺だと言ったら、それは詐欺でしょう。詐欺でなくても手を出さない方が賢明です。
ではでは、親子丼うまみでした。
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